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裏夢短編集 【第五人格】

第8章 月下美人【配達員】



生唾を飲み込んで私は勝手に部屋の中に入りだした。

もちろん、他のαに取られまいと部屋の鍵を閉めて。


中に入ってきた私に戸惑いながら焦り出すビクター君。

『…ッ…ねぇ、その匂い…発情期?』

ビ「ッ………」

必死に首を振って否定している様だった。

『………私…αなんだよ。貴方Ωだよね?』

ビ「ッ!!…」

αと知った瞬間ビクターは本能的にジリジリと私から遠ざかる。

私は距離を詰める。

背中がベットに当たったビクターは焦っていた。

逃げられないようにベットの両脇に手を置いてビクターを挟む。

『ねぇ、私我慢出来ないの。今ならまだ逃げられる。早くそのワンちゃんを私に噛ませて逃げて。』

少しだけ残った理性で私は彼に逃げろと忠告した。

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