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裏夢短編集 【第五人格】

第8章 月下美人【配達員】



αを惑わせる匂いの元凶の元へ。

自室の扉を出ると、1層に匂いが強まり、私の胸の鼓動が早く鳴りだした。

『……ッ………欲しい…』

もう私の理性は歯止めが聞かない。

匂いが強くなる方へ向かった。

そこはとても近くて、隣の部屋から充満していた。

幸いにも別のαはこの匂いに気づくか気づけないギリギリの範囲に居た。

私だけが隣だった為、私が呼び出されたようなものだ。


甘ったるい匂いが私を狂わせる。

『早く早く早く……!!』

必死に抑えようとしても無理だ。

ドアノブに手をかけて捻った。

ビクター君は危機感を知らないのか?

すんなりと扉が開いてしまった。


中で初めて発情期を迎えるのか?と思わせるほど困惑して涙目のビクターか座り込んでいた。
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