第6章 5
私が悪いんだけど、家にいれてしまった…
やっぱり自分のことなのに何を考えてるのかわからない。
いつもの自分だったらこんなに怪しい男を家に上げたりなんかしない。
「…お邪魔します。」
思っているより礼儀正しい人のようだ。
なんとなくイメージだけど、人を殺す様な人はもっとガサガサして乱暴そうな人だと思っていた。勿論挨拶なんてすると思わなかった。
「どうぞ。親もいないのでゆっくりしていってください。」
親もいない。そう言うことはこの男と二人っきり。
あっ!そうか!そう言うことか。
普通家族のいる家に見知らぬ男なんて呼ばないよね。なのに誘ったってことは家族の居ない状態で、男のひとを連れてきても問題ないと…
誘った時にもう家族が居ないことは向こうは分かってたのか。
と言うことは…あんなことやこんなことをするために誘ったように思われたと。
なるほど!そう言うことか。
だから、来ないだろうと思ってた人殺しさんが来たわけか!
男の真相に気づき結局男って言うのはそんな奴等なのだろうと一人で納得していた。
そんな風に思われていると分かっても、不思議と怖い、嫌だとは思わなかった。
もちろん、経験はない。