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【twst】ルーク成り代わりは自由に生きたい

第7章 薔薇の法律


「えっ、ではトレイが言っていたことは……」

「どうやら私の言い方が悪くて誤解させてしまったようだ」

「そうだったんですね」

ホッ……これで少しは安心かな?なんかまだ二人とも(とくにリドル)が気の毒そうな顔で私を見てくるけど、本当になんでもないのよ。
それに私は自分が特別辛い人生を送っただなんて思ってない。私みたいなのは周りに結構いたからね。
学生の身で恋人と駆け落ちした人、祖父だと思っていた人が実の父親だった人、跡目争いの末5人兄弟の末っ子が家督を継いだ人、金なんて掃いて捨てるほどあるのにインスタント食品にハマり栄養失調になってぶっ倒れた人……色々いたぞ。
そもそも同じように親と戦ってる子供なんて山ほどいるんだから珍しいものでもないでしょ。
個人的にこれはいかんなーと思うのは、親から歪んだ価値観押し付けられてそれが当たり前だと思い込み、周りにも歪んだ価値観押し付けちゃうことね。

「ケーキのことは残念だけど、リドルくんが一緒にお茶をしてくれるなら今回のことは水に流そう」

「えっ、僕とですか?」

「一年生で寮長を務める優秀なキミと話がしてみたくてね。トレイくんも誘って三人でお茶会を開こう」

初対面の人と二人きりでお茶会するのはリドルが気疲れしてしまうと思うので、共通の知人であるトレイに間に入ってもらおうかな。
善は急げだ。ついさっき部室でトレイと別れたから、まだその辺にいるはずだ。
リドルの肩を抱いて去ろうとすると、後ろから声がかかる。

「ねぇちょっと!!俺を下ろしてから行けよ!!」

「ジェイドくんに連絡入れておくから暫くそこで反省したまえ」

ギロリと睨みつければ奴は何も言わなくなった。
まったく、世話のかかる奴だ。

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