第6章 人生の核
「そうとも!世界は広いんだ。キミを否定する人間ばかりじゃない。キミにだって人生を大きく変えてくれる核に出会えるさ」
「そんなの無理だよ……どうせどこへも行けやしない」
彼の事情は知らないけど、ここまでネガティブだと小さい頃から否定されて生きてきたって感じだなぁ……。
「なら、キミが自分を否定するたびに私がキミを肯定しよう」
「は?」
何言ってんだこいつとか思ってそうだけど、そこから少しずつ自己肯定感を高めていければなと思っただけで大した意味はない。
ぶっちゃけ私は頑張るより頑張っている人を応援する方が得意なんだ。
まぁ、本当ならイデアをポムフィオーレに連れ帰ってヴィルと共にスパルタ教育すれば嫌でも肯定的になるかもしれんけど、オルトを一人にするわけにはいかないからね。
「兄さーん、ルーク•ハントさーん」
噂をすれば。
コンコンとノックして入って来たのはオルトだ。
ニコニコとご満悦な様子なのでヴィルとは楽しく遊べたみたいだね。よかったよかった。
「ヴィル•シェーンハイトさんから伝言だよ!『とりあえず今日は早く帰って来なさい』だって」
「オーララ……イデアくんと一緒にゲームする予定だったんだけれど、ヴィルに言われては仕方ないね。イデアくん、ゲームはここに置いておくよ」
「えっ……それはキミが買った物だから……」
「気にしないでおくれ。また遊びに来るからその時一緒に遊ぼう。おすすめのゲームなども教えてくれると嬉しいな」
「どんなゲームが好きなのかわからないけど……うん、わかった。何種類か用意しておくよ」
本当ならオールで遊びたいところだけど、夜更かしすれば即ヴィルにバレてデトックスメニューを課せられるから遊べる時間は限られてしまうけど仕方ない。
ヴィルも夜更かしすると察してさっさと帰って来いって言ってるかもだし、今日のところは引き上げようか。