第6章 人生の核
「生きてるのに会えないって、死別するより辛いと思うけど……」
うん、そうだね!!死ねば諦めつくけど生きてるならまた会いたいって思えるよね!!
でもね、そうじゃないんだ!
「生きてる世界が違うから、もう会えないだけだよ。私は彼女が幸せでいてくれているならそれでいいんだ」
「純真な愛ってやつ……?拙者にはよくわかりませんわ」
あ、また墓穴掘った?
もしかして恋人と勘違いされてる??
身分差のドラマ的な恋愛だと思われてる???
違う、違うんだ……!!私もユキも女なんだ……!!
ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"誤解を解こうとすればするほど新たな誤解が生まれるのはなんで!?
私の言い方に問題ある!?どこらへんが!?
元隠キャのコミュ障で語彙力なしには前世を隠しながら真実を語るってかなり難易度高いよ!?
しかもユキがいい人みたいに聞こえるけど、打算的で頭おかしいし、口も態度も悪かったからな!?
あぁでも嘘つけないところは面白かったな。あいつ嘘つくと変顔になるんだ。
大喧嘩したときに一度だけユキは私に「大嫌い!」と言ったことがある。
でも彼女はすぐさま目をそらし、ぷくぅと頬を膨らませ、眉を吊り上げ寄り目になった。
あの顔を見せられて笑うなと言う方が無理な話である。当然、腹を抱えて笑った。
「……でもなんか、意外」
「意外?」
うーんうーんと悩む私を置いて彼は独り言のようにボソリと呟いた。
「問題起こすことも多いけど、陽キャで友達も多いルーク氏がそんな過去あったなんて……これがギャップ萌えってやつ?でもミステリアスな面もあるから……それほど意外ってほどでもない……?次のネタに使えるかな……」
う、うん……?ボソボソ言っててあんまし聞き取れないけど、なんか考え込んでしまわれたぞ?
でも最初の時と比べるといい方向にいったんでない??あらぬ誤解招いたっぽいけど。
「そういうの、いいよね……『人生の核』みたいなの」
「『人生の核?』」
ボソボソ声から一転、彼はハッキリと伝えてきた。
でも聞き慣れない単語に首を傾げる。