第6章 人生の核
「じゃおーえんさつこくりゅーは」がどのくらいヤバいかは知らないけど、私は彼が言い返してくるたび「みんなを傷つけまいと一人でよく頑張ったね」「私にできることがあれば遠慮なく言っておくれ」「もしもの時は私が身を挺してキミを止めよう」と声をかけ続けた。
私一人じゃ解決の糸口を見いだせそうになかったので、頼りになる友人に相談したところ、ハーツラビュルの二人には
「えーっと……そういう天然なところもルークくんの魅力のひとつだけど、悪い人に騙されないか、けーくんチョー心配……」
「あはは……あまり人に言いふらすなよ。可哀想だから……」
と何故か哀れみの目で見られた。解せぬ。
ヴィルとレオナに至っては「そんなバカとは縁を切れ」って一蹴された。解せぬ。
でもね、オクタの三人は散々笑ったあとに彼のことを聞いてきたんだ。
アズールが「ご安心ください。この僕が彼を苦しみから解放して差し上げましょう!」と自信満々に言ってくれたので、彼をアズールに任せることにした。
数日後、彼はどこかげっそりした感じだったけど、闇の力だとかダークなんちゃらやら言わなくなったので無事に解決したんだな。よかった!
それまでの経緯をマレウスとリリアに報告したら
「お前はいい奴だが、そういうところ少し酷いな……」
「悪気ないのがまた残酷じゃのう……」
二人はどこか遠い目をしていた。
みんなのこの反応を見る限り、やっぱり前世の記憶を持ってるなんておかしいことなんだと思い知った。
私だって前世のことをぶち撒けて楽になりたいけど、それは叶わないんだな。仕方ないから墓場まで持って行こう……。