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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第4章 My sweet honey【沙明】


「あ、じゃあじゃあ、私達の家に来る?もうやることもないし」
「いい、の?」
「行きたい!あ、沙明はいいのん?奥さんSQちゃん達に取られちゃうかもよ?」
「別にいいぜ?夜は強制的に俺のモノだからな」
「おおう、ダイタン発言!ツバサ氏はどう思います?」
「ここでそういうこと言わないで……」
ちょっと涙目になって俯いてしまった。
ハッ、まだまだ初心だな俺の奥さんは。
「悪かったって。ホラ、とりあえずSQとジナは帰って荷物まとめてこい。俺らは先にアースラ帰ってっから」
「分かった、また後でね」
「コチラSQ小部隊、了解しました!」
おどけて返事をしたSQを連れたジナと一旦別れる。
俺らも星間航行船乗り場でアースラ行きの船のチケットを買ってちょっと早めに帰らなきゃな。
港につき、今の時刻から一番早いチケットを買う。
船が来るまでホームで待つことにした。
「はー、なんか疲れちゃったねぇ……」
「俺も。あんだけ歩き回ったの久々だからな」
いやー、マジで疲れた……
出張行った時でもあんなに歩かねーよ。
「でも、楽しかったね」
「ああ、お目当てのもん買えたし、なんなら早速出番あったしな」
「んふふ、たしかに。……あ、船来たよ」
「お、まあ続きはナカで話そうや」
案の定アースラ行きの船は乗員が少ない。
地球からもまあまあ遠いし、ほとんど自然しかねぇ辺境だからな。
「ね、沙明」
「ん、どした?」
「ジナとSQ勝手に誘っちゃったの、嫌だった?」
「別に、嫌じゃねーけど。……ただ、お前が俺に構ってくれなくなるんじゃねーかって思ったのは事実だな」
コレは本当。
だって新婚ホヤホヤのときにベッタリじゃない夫婦とかの方が少ないと思う。
「そんなこと思ってたの……?」
「……悪ィかよ」
「そんなことないよ。ただ、意外だったなって。そういうとこ、可愛いよ」
可愛いとか言われても正直嬉しくない。
男だったらやっぱかっこいいって言われたい。
ちょっとだけ不貞腐れて、ムスッとしたまま黙った。
「顔赤いよ、ダーリン」
耳元で囁かれる。
指摘されたことと、囁かれたこと両方に対する羞恥心が湧き上がる。
俺もツバサのこと言えねーくらい初心なのかもな。
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