第4章 My sweet honey【沙明】
「ごめん、遅くなった」
「ジナおかえりー」
お目当ての和食を持って帰ってきたジナ。
ほかほかと湯気が上がっているが、俺には見慣れない色彩の料理だった。
「俺食ったことねーけどそれどんな味すんの?」
「私も気になる〜」
「美味しいよ」
そりゃ毎回ジナが食ってるからそんなこと知ってるっつーの。
美味しいだけ言われてもどんな味かわかんねーじゃねェか。
「SQちゃんは食べたことあるよ!温かくて、健康に良くて、昔ながらの伝統的な味って感じDEATH」
いやだからどんな味だよ。
でも健康にいいんだったら朝飯に取り入れてもいいかもな。
ツバサに今度作ってもらうか。
……別に俺が全く家事してないワケじゃねーぞ?
休みの日とか超やってる。最早休日は俺が全部やってる。
料理だけ簡単なものしか作れねーってだけだから。
ホントホント。シャーミン、ウソツカナイ。
「食べられないものは使ってないから、ちゃんと食べられるし、作るのも簡単だから」
食べられるもの使ってなかったらこえーよ。異物食ってることになるじゃねーか。
ただ、ツバサは作るのも簡単だという発言に食いついた。
「簡単に作れるの!?作り方教えて欲しい!」
「お味噌汁くらいなら、簡単」
ほー、簡単だったら俺でもできるかもな。
レシピ送って貰うか。
「今度、基本的なレシピ送るね」
「やった!ありがとうジナ!」
その後も和食についての話を聞いた。
サシミとかスシとかは昔から受け継がれてきた技術がいるから形だけ作るのは簡単だけど、キレイで美味いもん作ろうと思うと難しいらしい。
奥が深ェな。でも結構興味深い。
今度ツバサと調べてみっか。
ったく、ハニーとやりたいことどんどん増えてくな。
ま、時間はたっぷりあるわけだし、ゆっくり成し遂げるぜ。