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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第2章 Messiah【レムナン】


彼女はエンジニアだったのか。
ん……?だとすると、
「ツバサさん、僕を、助けてくれた時に使っていた、粒子分解装置って、ツバサさんが、作ったんです、か……?」
「うん。そうだよ。普通のヤツだと火力もあんまりないし、何よりも分解できるもの少ないからさ。人助けするには、火力が高く、それでいてなるべく持ち運びしやすいものがいいからさ。完成したらしたで割と大きくなっちゃったけど、あとからコンパクトモードをプログラムしておいたし、自分でも結構出来が良くなったと思うな」
「すごいです……!僕、壁を壊せる粒子分解装置なんて見たこと無かったので、ずっと気になってたんです……!まさかツバサさんが作っていたなんて……!尊敬します……!」
「あはは、そこまで褒められるとこっちも照れちゃうな」
ツバサさんは少し眉を下げて本当に照れたように笑う。
でも本当に尊敬しているのだ。
強くてかっこいいだけじゃなくて、頭もいい。機械を自分で一から開発して、それを一人で完成させるほどの技術力と才能を持っている。心優しい性格と人当たりも持ち合わせている。
眩しいくらいに輝いている人だ。
「確かに、ここの船の動力、私も最初見た時びっくりしたもん。見た目は割と新しめの型なのに、中身はアンティークの年代物。調査のしがいがあったよ」
「はい……!僕も案内された時からずっと気になっていて、今日来ちゃいました……!」
「ふふ、分かるよ、その気持ち」
助けてくれた人は機械が好きなだけじゃなくて、エンジニアでもあった。
こんなにも運命を感じる出会いなんてあるのだろうか。
本当に理想的な人だ。
宇宙にツバサさんみたいな人がたくさんいれば、平和になるだろうな。
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