第2章 Messiah【レムナン】
階段を降りて右に曲がる。角部屋のそこに入ると、ネオンライトが眩しく光っていた。
「こちらは娯楽室になります。長い船旅の間じっとしているだけでは退屈でしょう。ここは楽器やゲームがありますし、部屋の内装もカスタマイズ可能ですので、暇を持て余してしまったらこちらへいらっしゃってください」
「は、はい。ちなみに、ゲームって、何が、あるんですか…?」
「んーと、ニンボクとかもあるし、普通にトランプもあるよ。スロットとか、ダーツとかも」
「ニンボク……!」
「あれ、レムナン、ニンボク好きなの?」
「僕は見る方が好きですので……強いプレイヤーの方を見ていると、すごく楽しくなってきてしまって……!」
「ジョナスは、結構ニンボク強いよ。後でジョナスに話聞く?」
「はい……是非……!」
天国のようなこの船。
機械が沢山あって、ニンボクまであるなんて。
ツバサさんについてきて本当に良かった。
「お次はこちらです」
「ここは……?」
「合成プラントだよ。奥にある大きいプラントで、材質関係なく、ありとあらゆるものを合成出力できるんだ。でも、武器とかを作るってなると特殊な権限がいるんだけどね」
「すごい……!」
この船に来てから驚かされてばかりだ。
最先端の技術。ずっと触っていられそうだ。
「お次は、共同寝室ですね。共同寝室は主に二部屋ございます。ですが、乗員の方はあまりいらっしゃいませんので、個室の方がいいかもしれませんね」
「個室も、あるんですか……?」
「うん、あるよ。食堂の近くに三部屋と、医務室とLABの近くに四部屋。レムナンはどっち側がいい?私は食堂の近くにしてるけど」
「ぼ、僕は、ツバサさんの、隣の部屋がいい、です……」
嫌がられていないだろうか。この船に乗ってから一番長く関わっているツバサさん。できればツバサさんの隣の部屋がいい。
「ん、いいよ。じゃあ、私の右側の部屋ね」
「は、はい。分かりました。ありがとう、ございます」
自分の個室。でも、あの時みたいに不自由なんかじゃない。
自分の好きなように過ごせる部屋。
夢みたいな展開に衝撃が止まらなかった。