第1章 ずっと昔から【沙明】
凍ったり消したりで残ったのは九人。
あと三人消せば僕らの勝利だ。
セツも演技力は割とあるし、セツにも協力してもらって、敵側がバラバラで動いて、こっち側四人が一人に集中して票を集めれば簡単に勝てるだろう。
セツにはグノーシア仲間を伝えてある。
セツにも許可をとって、沙明とツバサにAC主義者がセツだと言ってある。
僕が疑った人に票を入れてと言ってあるので、勝ちはほぼ確定だ。
沙明は疑われたら助けを求められるし、ツバサはそれに加えて反撃することも哀しむことも可能だ。
強い。メンバーの中で個人的に一番頭のいいステータスの振り方をしていると思う二人が仲間で、しかも人を動かす力のあるセツもAC主義者でこちらの味方だ。
とりあえずステラを吊りにいくことにした。
ステラはククルシカを疑っていたし、そこを指摘すればいける。
セツはステラがグノーシアだと報告した。よし、いい感じ。
「ステラが怪しいと思う。……消されたククルシカが、ステラを疑っていたから」
「おいおいお前ら、何ボンヤリしてんだよ?ツバサ様のありがたいお言葉にヘイコラ従っとけって」
沙明が同意を求めさせる。ツバサ、セツ、シピ、レムナン、SQが着いてくる。
このまま、このまま。
結局その日はステラがヘイトを集めまくって、コールドスリープが決定。
あと、あと一人。あと一人消して、もう一人は凍らせる。
そしたら、僕達はノーダメージで勝利だ。
……最後の相談の夜になるかもしれないし、二人に会っておこう。
展望ラウンジへ向かう途中、ツバサと遭遇した。
「あれ、ツバサ?展望ラウンジに行く途中?」
「うん、そうだよ。この時間になると何故か眠くなってくるんだよね…」
「…ツバサ。今日は絶対に天使の加護をくぐり抜ける。だから、明日。頑張って」
「…うん。ライトがここまで協力してくれるんだから。私も成功させる」
気合いは十分。あとは沙明だ。