第14章 お出かけの続きを
そろそろ食べ終わる頃に、蜜璃ちゃんが追加注文したカツカレーが…
いや、ライスカレーとカツレツがやってきた。
蜜璃ちゃんはコロッケを食べ終わるところだった。
「うふふ。ノブちゃん、これ、とっても美味しそうだわ」
「また違うメニューになったでしょ。でも勝手にこんなことしていいのかな?」
「いいと思うわ。だって、美味しいんですもの」
せっかくなので、ご飯の上にカツレツをのせて、カレーをかけた。現代でよくみるカツカレーを作ってみたのだ。
よく見れば、店員さんも興味津々と言った様子だ。
「お先にごちそうさまでした」
手を合わせて言う。まだ蜜璃ちゃんは食べ始めたばかりだ。
「ごめんね~ノブちゃん。もう少し待っててね~。急いで食べるから~」
「大丈夫よ。せっかくだから、ゆっくり味わって食べて、蜜璃ちゃん。私、ちょっと席を外してもいい?」
「ええ。お言葉に甘えてゆっくり食べさせてもらうわ」
そう言いつつも、蜜璃ちゃんの食べる速さは私達が急いで食べる速さよりも早いのだ。この勢いなら、すぐに食べ終わってしまうだろう。
席を立ち、玄関のドアを開け外に出る。眩しい日の光に目がくらむ。少し離れた目立ちにくい場所まで移動する。
「木蓮、いる?」
そう声をかければ、どこからか姿を現し、空から降りてくる。左腕を出せば、そこに止まる。
「イルワヨ。何?」
「ごめんね。今からお館さまのところまで行ってくれる?伝えて欲しいことがあるの」
「サッキノ迷子ノ件?」
「そう。お礼に五つも西瓜を頂いたので、蜜璃ちゃんと半分にすることにしたの。二つ半のうち、一つはお館さまに。もう、一つは悲鳴嶼さん、岩柱さまに持っていきたいと思ってるの」
「ソレヲ、オ願イスレバ、イイノネ」
流石だ。話が早い。
「流石ね木蓮!お願いできるかしら?お手紙もないのだけど…できれば明日持っていきたいと、思ってて。早い方がいいと思うから…」
「大丈夫ヨ。ズット上カラ、様子ハ見テタシ」
「ありがとう。お館さまによろしくね」
「分カッタワ」
そう言うと、私の左腕から飛び立つ。すぐに真っ青な空に一直線に登って行った後、左に旋回し、木蓮の姿は建物の影に入って見えなくなってしまった。