第10章 秘密 *
【実弥side】
沈黙状態を破ったのは、今までと全く違う、弱々しいノブの声だった。
「嫌でしたか」
あまりの弱々しさに驚き、視線を移すと、うつ向き両手をぎゅっと握りしめて座っているノブがいた。
そうだ。何も考えてないように振る舞ってたが、こいつは不安だったのかもしれない。
あんな行為だ。気になるのは当たり前だなァ。
うつ向いたノブの頭に手を載せる。下を向いていた顔が俺を見る。さすがに面と向かっては無理だァ。
横を向きながら呟く。
「嫌じゃねェ。気持ち良かった」
「実弥さん、本当に嫌じゃなかった?」
再度確認する声はひどく弱々しい。ノブは今にも泣きそうな顔していた。こんな顔をするのか、こいつは。余程心配だったんだろう。
「…何度も言わせるなァ。嫌じゃねェし、気持ち良かった…」
この短時間に何度目かの恥ずかしい言葉を紡ぎ出す。顔はそらさなかったが、目線はさすがに外す。
やっと安心できたのだろう。いつもの笑顔に戻り、俺も安心する。
「良かったぁ……じゃ、次は飲み込みませんから」
「…おいッ!」
さっきまでのしおらしさはどこに行ったんだァ。ノブの変わりように頭がついていかない。
少し落ち着きを取り戻しているモノを、両手で包み込まれ、先端をチロチロと舐められる。
まだ少し出ていたようだ。
トロリとした透明の液を絡めながら、先端部分だけを舐め続ける姿は、何とも厭らしい。
いつもであれば、一度出せばそれで済む。だが、どうだ。一度出したにも関わらず、下半身は天井に向かってピンと勃ち上がっている。
「もう元気になっちゃいましたね」
先端に口をつけたまま、ニヤリと笑うノブは、どこか大人びていた。自分でしときながら、その質問はおかしいだろォ。
「………誰がしたんだァ」
「へへっ。私です!」
嬉しそうに笑い、また舐め始める。ゆっくりと竿の部分を、下から上へと、何度も繰り返される。
途中、手で先端部分を触り始める。ぬるりとした液体を使い、円を描くようにゆっくりと触られる。
「……うッ……ハァッ………」
二つの刺激の何とも言えない気持ち良さに、声が漏れ出る。