第16章 激励会
「いやー、男って理性だけで生きてねぇからな。注意しておいた方がいいぜ。煉獄みたいに隣にいても手ぇ出さねぇってのはあり得ないと思った方がいいぜぇ。」
「宇髄が襲ってきたら、鴉飛ばせ。助けにいってやらぁ。」
「え、いや。待って。俺が襲う前提何?同意がないとさすがの俺も手、出さねえよ。」
「さ、かぶと虫みせてもらおっと。」
「あぁいいぜ。」
はきゃあきゃあ言いながら、かぶと虫を腕に這わせてもらったり、幼虫を掌に乗せてもらったりした。もちろんおはぎも美味しかった。
「そもそも、お前ら何で一緒に住んでたの?」
「最終選別が終わった後、杏寿郎が、近くに家があるからおいでって。君の事をもっと知りたいって」
「え・・・・。それでついて行ったの?」
「煉獄・・・。それは人さらいだな。」
「私も帰る家や待つ人がいなかったので、特に断る理由も無く。」
「結局、行ったら一緒にひたすら鍛錬ばかりして、このままお互い強くなるために、一緒に住んで鍛錬しようということになってで、今に至ります。」
「・・・・純粋な奴って、ちょっとぶっ飛んでんな。」
楽しい時間を過ごし、不死川の屋敷を後にした。
の屋敷の前で天元にお礼を言った。
「その・・励ます会開いてくださってありがとうございました。楽しかったです。お蔭様で実弥殿とも少し親しくなれました。」
「そりゃ良かった。」
天元はにっと笑った。
「またお前が暇そうな時に誘うぜ。稽古でもいいからよ。寂しいのは時間が少しずつ解決してくれるぜ」
天元はの顔を覗き込みながら頭をふわふわと撫でた。そして次の瞬間フッと消えた。