第15章 一人暮らし
杏寿郎もも出会ってから2年が過ぎ、16歳になっていた。
杏寿郎は出会った頃のようなあどけなさはもうほとんどなく、背丈は五尺半近くなり、獅子の様な凛々しい青年へと成長し、槇寿郎が放棄した炎柱へとなっていた。
も少女というよりは女性に近づき、益々美しくなっていた。も柱になる資格は得ていたが、柱に空きがない上に、杏寿郎と同じ炎の呼吸の使い手ということで継子となっていた。
杏寿郎は柱になってからというもの以前よりも任務が忙しく、家を空けることも多くなり、はで下級隊士が手こずっていると応援に行く仕事が増え、二人で同じ任務にあたることは少なくなっていた。
一日の内に1、2度顔を合わせる程度で、食事が共にできれば良い位になってしまった。
さらに最近、少し杏寿郎の様子がおかしい。千寿郎とと三人でいるときは普段通り会話をするが、二人きりになると急に刀の手入れをしたり、指南書を読み始めてなかなかゆっくり話ができない。
この日ももう寝る時間になり、布団の用意できでいるが杏寿郎は文机で本を読んでいる。
はあまり一緒にいられる時間が少ない分、一緒にいる時は色々な話がしたいが、杏寿郎がよそよそしい雰囲気を出すので、気まずい気持ちになっていた。