第47章 あなたと一緒に
桜寿郎は2歳になり、は新年度から仕事に復帰をするか、仕事を辞めるか悩んでいた。仕事を辞める話も出たが、家で家事をしながら杏寿郎の帰りを待つのはなんとなく性に合わないと思い、杏寿郎にもそう相談した。
杏寿郎はが教員の仕事が好きなのを知っていたので、復帰に向けて家事を教えて欲しいと言い、煉獄家のサポートも取り付けてくれた。煉獄家は早く桜寿郎を預けて欲しかったらしく、保育園のお迎えとか杏寿郎の仕事が終わるまでの世話を快く引き受けてくれた。といっても、瑠火さんの書道教室もあるので、毎日遅くまでというわけにはいかないが復帰できる目途は立った。取り敢えず一年頑張ってみようという事で職場復帰をした。
職場は夫婦で同じ高等部にはいられないので、は初等部へ異動になった。
杏寿郎は料理が壊滅的にダメなのだが、努力の成果で簡単なお味噌汁(冷凍してあるカット野菜三種類と、冷凍の豆腐)と無洗米の炊飯はできるようになってくれた。が、まだ成功は五割程度なので、どうしてもの時だけお願いすることにした。
復帰してからの生活は毎日忙しかったが、お互いに充実していた。
初等部と高等部は校舎が少し離れているので、以前の様に職場で話をする機会は少なくなった。
しかし、道場のある体育館は初等部と近いため、剣道場の窓を開けて稽古をしていれば杏寿郎の声が聞こえてくることもあるし、部活の休憩時間にが初等部の児童の登下校の指導をしているのを見かけることもあり、これまでとは違うお互いが見られてそれはそれで良かった。