第45章 一年とちょっと後
「・・・さあ、天元。今回はどうしたの?」
「・・・雛鶴が妊娠した。」
「おめでとー!!天元、子ども好きだから楽しみだねー。色男、とうとう年貢の納め時だ。結婚式はする?とりあえず入籍だけ?」
は肩にもたれる天元の頭を押さえて、自分の背中から剥がして顔を覗き込む。
天元は無表情での隣に座り、机に体を投げ出す。それを見てはふぅっと溜息をついてパソコンを閉じ、天元の方を見る。
「どしたの?天元。マリッジブルー?今の気持ちの在りかが分からない?」
「何だろうな?よくわかんね。・・・入籍だけとりあえずする。あとは雛鶴の体調次第だな・・・。にまず聞いてほしかっただけ。」
と杏寿郎はチラと目を合わせる。
「ねー。産まれるの年明け位?」
「・・そうだ。よくわかったな。」
「・・・私のお腹の子と同じくらいかなーと思って。」
天元が、勢いよく頭を上げて杏寿郎を見る。
「・・・おぉ!めでたいな、煉獄!あのかわいい桜寿郎がまた産まれてくるのか。」
「宇髄先生、育児を教えてくれ!今度の桜寿郎は俺が育てるぞ!」
にっと笑って答える。
「・・・煉獄、俺はまた桜寿郎に父上と呼ばせてやるからな。」
「いいぞ!桜寿郎にとっての父上は君だからな。俺の事はお父さんとでも呼ばせる。桜寿郎は父が二人になるな。」
「煉獄の鋼メンタル・・・。」
は笑いをこらえながら聞いている。(杏寿郎はド天然でS。めちゃくちゃ攻めて主導権を握る)
「さぁ。宇髄、そろそろ休み時間だ。君、授業は?実技教科はテストが無いだろうが、も俺も中間テストを作っている。定時で帰りたいんだ。君もはやく愛する奥方の所へ行け。」
「・・・そうする。また、毒気抜かれたわ。良かったな煉獄。赤ん坊楽しみだな。・・・なんか俺、お前等みてると元気になってきたわ。」
「宇髄、ありがとう。君も楽しみだな。君と奥方の子なら男女どちらでも美しい子になるだろうな。」
「まぁ・・・そこは間違いないだろうな。・・、良かったな。前世で出来なかった事がまた一つできそうだな。」
「うん。生まれたら1番に杏寿郎に抱っこしてもらう。」
「・・2番は俺だな。呼べよ。」
「ふふふ。気が早いよ。呼ばないし。」
「煉獄、頼んだ。」
「善処する」