第45章 一年とちょっと後
と杏寿郎の結婚式が終わって数か月が経った。
は授業が無い時間な為、社会科準備室に篭りカタカタとパソコンで仕事をしていた。
「天元、重いんだけど。」
「そお?ごめんねぇ。俺でっかいから。」
天元はの肩に背後から横向きで頭をのせている。
天元は前世と同じように時々なぜかに甘えにくる。
「天元。・・・どうした?」カタカタと文字を打ち込みながら訊いてみる。
「。キスしていいか?」
「ダメ。」
「。ハグしていいか?」
「ダメ・・・。天元、どしたの?私パソコン止めて、ちゃんと話訊こうか?」
「うーん。もう少しこのままがいい。」
「そう・・・。」
「の心臓の音・・・落ち着く。」
「そうね。・・。」
「?」
「なあに?」
「は何で俺に素っ気ない言い方すんの?」
「え?天元、Mッ気あるじゃん。」
「・・・あー。あるわ。」
「でしょ?嫌じゃないでしょ?基本的にはSだけど。煽って来るけど、煽られるのも好き。でも偉そうにされるのは嫌。で、寂しがりで甘えん坊。」
「サスガ、元妻。」
「かわいーんだよね。・・・今のは失言。取り消します。」
「取り消せない。やっぱりキスしたい。」
「ダメ。天元は猫みたいな犬だから、最終的には大体の事は許してくれるけど、杏寿郎は多分犬みたいな猫だから、機嫌を損ねるともうそこであっさり終わり。私、杏寿郎の嫌がる事したくない。嫌われるの怖い。」
「確かに!流石の俺もキスは嫌だぞ!いや、君に度胸があるなら・・・あえて試してみるか?」
杏寿郎もパソコンに向かっていたが、ニヤッと笑って宇随を見て返事をする。
「・・・煉獄ゥ、冗談だって分かってるだろ?ちゃんとお前の居る前でしかと話さねーんだから。」
「君たちは前世では夫婦だったからな、お互いにしかわからない絆もあるだろう。俺の前で出来ることだけなら許したい。狭量ですまんが。」
「・・・お前のそういう所好きだわ。尊敬する。」
「ねー、だから傷付けたくない。」
「で、は?猫?犬?」
「私は完全に犬。いつでもしっぽを振って待ってる。」
「あー。」