第40章 きっかけ
次の日、社会科準備室にいる杏寿郎を天元が訪ねた。
「おい煉獄、何でと一緒に職員室で仕事しないんだよ?」
「・・・の顔を見ると涙が出てくる。」
「お前、もう2週間だぞ。」
「そう言われてもだな・・・。」
出てしまうものはどうしようもない。と杏寿郎が続ける。
「お前、今後をどうしたいんだよ?」
「なぜ君は俺の動きを気にする?」
「・・俺はお前が死んだあと、と結婚した事に若干の後ろめたさがある。」
「それは気にするな!俺もそれを望んでいただろう?むしろ感謝している位だ。」
「・・・煉獄らしいねぇ。・・・で?どうしたい?」
「・・前世はに一目惚れだったんだ。で、大好きなまま俺は死んだ。に記憶があっても無くても、どうやったってあの笑顔を好きになってしまうんだ。好きだと言う以外はないんだが、きっかけが無い。」
「・・・飯でも誘えば?」
「横に座るならまだいいんだが、正面に座ると泣く自信がある!」
「どんな自信だよ・・・。」
「宇髄・・・申し訳ないが、君のに対する気持ちは確認しないぞ。聞いても慮る気は無いからな。」
「あぁ。必要ねぇよ。に必要なのは俺じゃなくてお前だからな。」
「相変わらず君は良い男だな。・・そういえば、明日の部活の後、と剣道の稽古をする。」
「はぁ?剣道の稽古?」
「試合もする。そうだ!6時に審判をしに来てくれ。不死川と冨岡も誘って。」
「ホント何なの・・?今、令和よ?何でまた2人で稽古なの?もう鬼、いないよ?」
「全くだ!でも、剣道なら涙は出ないだろうしな。・・・純粋にと同じ時間が過ごせるのも嬉しい。」
「勝ったら何かあるの?」
「いや、特には無い。」
「じゃ、なんで試合するんだよ~!!」
「剣道部顧問だから?」