第37章 歓迎会
「俺は想い人をずっと待っていたんだ。」
「想い人は私と似ているって人?」
「は鋭いな。」
「羨ましい。私もそうやってずっと想ってくれる人が欲しい。」
「おそらくもういるぞ!」
「そうかな?」
「存外近くにな。」
「何それ?占い?でも、そうだといいなー。」
「さあ、。家はどこだ?」
「え?煉獄先生の家の方へ向かってるのかと思ってた。」
「む。じゃあここはどこだ?」
「・・・どこだろ?」
ぷっと顔を見合わせて笑う。
「やはり、君といると楽しいな。」
「ふふふ。それモテる人が言うやつだ。」
「わははは。・・・いや、ちょっと待て、楽しいが、本気で帰路につこう。もう遅いぞ。」
「大丈夫、兄を呼んだからもうすぐ来るよ。煉獄先生の家まで送ってくれるって。」
「それはありがたい。」
「そうだ、。今度、部活の後、剣道で勝負してくれ。」
「稽古ではなく勝負?」
「稽古もだが、試合をしてくれ。胸を貸してもらいたい。」
「胸を借りるのは私の方だと思うんだけど。煉獄先生は全国大会で優勝したことがあるんでしょう?」
「君もだと聞いたぞ。」
「うーん。私、剣道すると人が変わるらしいので、嫌いにならないでね。」
「君が何をしようと嫌いにはならない。」
「じゃあ・・・本当に?」
「なんだ、は俺に嫌われたくないのか?」
炎の様な目がゆっくりとの瞳を捕らえる。
「は、やっぱり可愛いな。」
「あははー。煉獄先生に可愛いって言われたー。」
「、君、酔ってるな。」
「え。今更?」
の兄と合流し、煉獄邸へ送って行った。
煉獄家の前で煉獄先生を見送った時、一瞬頭の中に、軍服のような詰襟に炎の模様の羽織を肩にかけて笑う煉獄先生が見えた。
そこからは、一気にいろいろな映像が頭の中をぐるぐると駆け巡った。
煉獄先生によく似た顔の男の子。
着物を着ている宇髄先生?
一年生の竈門君、我妻君、嘴平君。
詰襟の不死川先生、冨岡先生、伊黒先生、胡蝶先生、産屋敷理事長。
煉獄先生によく似た赤ちゃん。
スライドショーの様に1シーン、1シーンの映像が頭の中に浮かんでくる。みんな今と着ているものが違うけど、きっと本人だ。
何だろうこれ。
私、日本に帰ってきてからおかしい。
何か・・・大切な事を忘れている?