第35章 墓参り
「ねぇ炭治郎。私、思い出したことがあるの。私の育手が痣が出たら心臓の鼓動の数を少しづつ減らしていくといいって言ってた。」
「心臓が一生で打つ回数は、どの動物も大体同じなんだって。決まった回数に近づくと寿命が尽きるみたい。」
「痣を出すために体の限界を超え、心臓に負担をかけて、使いすぎてしまうから、少しずつ心臓の拍動を減らして穏やかに生きていけば25歳は越えられるって。長生きは無理だとしても、あなたが勝ち取った平和だから、みんなの分も生きないとね。」
「はい。やってみます!」
「では、また会おうね。」
秋
は、によく似たの男の子と、天元によく似た女の子の双子を産んだ。
そして痣の寿命よりも長く27歳で亡くなった。
天元はその8年後、38歳で亡くなった。
桜寿郎は杏寿郎そっくりの青年になった。天元が亡くなった後は煉獄家へ戻り、千寿郎と家を盛り立てた。命をかけなくても人が助けられる道を選んで。
天元の双子は、兄妹仲良く助け合い、天元から受け継いだ忍びの技を使う仕事に就き、宇髄の子孫を増やしていく。鬼のいない、殺されることのない世界で。