第34章 緊急招集
「んで?。まだ言いたいことあるんだろ?なんか嫌な感じの開き直った顔してるぜ。」
天元はまだ怒ってる。
「あの・・・戦っている時に、痣が出てしまった。」
「他の奴らも出たんだろ?それ位しなきゃ生き残れなかったんだから仕方ねぇ」
「・・・それで?」
天元はが何が言いたいか分かっている様だった。
「なので、もう一緒にいない方がいいかと・・。」
「何でそうなる?」
「私は今、20歳です。25歳まで生きたとしても、5年弱。」
「早ければ明日には死んでしまうかもしれない。」
「それをあなたに背負わせるのは忍びない。」
「は、俺が、寿命の残りが見え始めたってだけで、惚れた女を放り出すと思ってんの?」
「違う。そうではなくて、あなたは優しいから、私が死ぬまで傍にいようとしてくれる。でも、毎朝、私が生きているかを確認して、少しでも不調になると不安になって、少しずつ弱っていく私を見ては悲しくなる。そんな毎日を過ごさせたくない。」
「・・・は、考えすぎなんだよ。誰だって必ず、死ぬ。もしかしたらよりも俺の方が先に死ぬかもしれねぇ。だからって、死ぬことばかり考える必要は無ぇんだよ。」
「でも、大切な人を失って生きていくのって、つらいよ?」
「だから!考え方だよ。うまくいきゃは後5年も生きられる。本当は一週間前に殉死してたかもしれねーのがよ。後5年だぜ?大概の事は5年もありゃできる。」
「笑って過ごしても5年。泣いて過ごしても5年。同じ5年なら笑った方が良いじゃねーか。」
「は、残りの人生を俺にくれるって言ったんだから、俺と一緒に生きてくれ。」
「・・・天元。天元って良い男だね。」
「お前、今更かよ!知らなかった?」
「ふふふ。知ってたよりも良い男だった。」
「ほら、お前は、そーやって笑ってりゃいいんだよ。」
「ちなみに、お前が寝てる間に桜寿郎は座れるようになったぜ。」
「えー見たい。」
「あぁ。一緒に帰ろうぜ。」
(杏寿郎。まだ会いに来なくていいってこと?)
(杏寿郎、次に私がすべきことは・・・死ぬまで笑って過ごすこと?)
(じわじわ弱ってはダメだ。本当に死ぬ直前まで笑って過ごす。難しそうだけどきっとそれが残される人にとっては一番良い。)