第34章 緊急招集
柱稽古も無事終わり、の力はかなり向上した。
無惨との闘いになったら、桜寿郎は千に頼むことや、お館様の護衛に天元も槇寿郎さんも行くことなどがどんどん決まっていく。
ある夜、鴉からの緊急招集が告げられた。
とうとう来た。
杏寿郎が作ってくれた羽織を羽織って、指輪もぎゅっと握ってから首に下げた。桜寿郎を抱きしめ、千寿郎へ届けてもらう。何か察したのか桜寿郎はずっと可愛い顔で笑っていた。
途中までは天元と同じ道なので、一緒に向かう。
2人とも一言も発さない。
分岐点が近づく、ぴたっと天元が止まり、つられても止まる。
「おい、。死ぬな。生きて戻れ。」
「死ぬ気はもうない。あなたの為に生きて戻って来る。あなたにもっと愛してもらわないと。」
笑って見せる。
少しの間、見つめ合う。天元が、がばっとを抱きしめてすぐに離し、口づけをした。
「待ってるぜ」
そう言うと消えた。
も先を急ぐ。
(生きて戻る・・・ごめん。天元、少し嘘をついた。せめて、ありがとうと言って死ねるくらいの状態で生きて戻る。)
お館様は、無惨への攻撃として、奥様とご息女と一緒に爆死され、戦いが始まった。
無限城ではたくさんの隊士が命を懸けて戦い、砂が指の隙間からポロポロと零れるようにどんどん死んでいった。
も、炭治郎と義勇と一緒に猗窩座と対峙した。
あんなに技を磨いたのに、なかなか確かな手ごたえが得られず、どんどん押されていった。
杏寿郎はこの鬼と一人で戦い、自分以外の犠牲者を出さずにいたと思うと純粋な尊敬と若干の悔しさがあった。
まだ私は杏寿郎には力が及ばなかったと思った。
が、戦いながら杏寿郎なら次はどうするだろうとか、杏寿郎はこの時こんなことを考えていたんじゃないかと一緒に戦っているような錯覚を起こした。
そして、出そうと思っていた技、煉獄の三連を使った。首を狙うことは難しかったが、終式の攻撃を全てではないが止めることができた。
炭治郎が覚醒し猗窩座の首を切った。
猗窩座との戦いで、の頬にも炎の形の痣が出た。炭治郎も義勇も大怪我を負ったので、傷の手当てをし、最後の戦いに向かう。