第31章 夢
「さ、では、桜寿郎を連れて帰るね。」
「え?帰るって何で?帰る意味ある?今日から居りゃあいいじゃん」
「ん?他のお嫁さんはどうするの?当番制?」
「当番って何だよ?」
話が全くかみ合わず、は混乱する。
「ん?んん?私、四人目のお嫁さんじゃないの?」
「はぁ?前にも言ったけど、あの3人は嫁って言ってるけど、妹みたいなもんで、男女の関係はねぇよ。」
「一緒の家には住んでねぇ。離れにいる。いつかあいつらが、嫁いでいくときに男と暮らしてたっていうのはまずいだろ?」
「あれ、本当の話だったの?」
「何?は4人目ならいいやと思ってのさっきの返事?」
「・・・・・。」
は何も言わずただ笑顔を見せた。
その様子を見て、天元は胡坐をかいて頬杖をつき、少し呆れた顔でを見る。
「、お前一人だ。今日からもうここに住むんだ。さあ、チャン。色男を独り占めする気分はどうよ?」
「し・・・槇寿郎さんにも相談しなきゃ。」
慌てるをニヤニヤしながら見る。
「お?意外と往生際が悪ぃな。さっさと俺に愛される覚悟を決めろよ。」
「もう槇寿郎の旦那にゃ、桜寿郎が生まれる前にお前にちょっかい出すことの許可をちゃんと貰いに行ってある。俺は本気で桜寿郎の父親になるつもりでこれまで頻繁に会いに行ってた。」
「煉獄家へ行くたびに、まず槇寿郎殿と千寿郎に挨拶してからお前の顔見に行ってたんだぜ?」
「何の許可もなく煉獄家の嫁と嫡男にあんなに頻繁に会いに行く程俺は図太くねぇよ。」
「槇寿郎殿も千もそれでの笑顔が戻るならって言ってくれてる。」
「・・・外堀が埋まっている・・・。」
「ちなみに、今日は俺の屋敷に泊まるって連絡も、さっき鴉に頼んだ。」
「そーいう根回し得意よ、俺。明日改めて挨拶行こうぜ。」
は観念し、ふーっと息を吐いた。そして、天元に向かってもう一度正座しなおし、頭を下げた。
「天元、ここまで想ってもらってたなんて驚いたけど、あなたの期待を裏切らないように努力したいと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします。」
「その返事を待ってたぜ。」