第28章 見送り
は天元の目をじっと見つめて逸らさない。
「・・・じゃあ、ここに来てくれるのも、これが最後かもしれないってこと?」
「ちょ・・お前、身も蓋もねぇ・・・。まぁ、俺は強ぇから大丈夫だけどよ。」
「天元・・。」
は膝立ちになり、天元の首筋に腕を回す。そしてすっと目を閉じ、天元の唇に口づけをした。そして顔を離すと、その紫の目をじっと見ながら言う。
「天元、気を付けて。生きて帰ってきて。」
天元はの行動にびっくりした顔をして少し赤くなる。
「・・・。お前っ・・・。」
「最後の会話になるかもしれないんでしょ?私にできそうな望み位は、叶えてあげないと後悔すると思うから。」
「最初の口づけは俺からしようと思ってたのに・・・。くそー・・。」
「私、言われた通りにしたのに・・・。」
「まあ、やる気は出たぜ。」
「天元、桜寿郎と待ってるね。」
「お、いいね。待っててくれ。」
そういうと天元はいつものように、フッと消えた。