第27章 退院
は数日入院した後、煉獄家へ戻って来た。
槇寿郎に報告し、俺はいいと嫌がる腕に桜寿郎を無理やり抱かせた。桜寿郎の顔を見て少しだけ笑ってくれた。
杏寿郎の位牌のある仏壇にも報告した。千寿郎がまた少しだけ泣いていた。
煉獄家に戻っても、天元はと桜寿郎に会いに来た。
さすがに手先が器用なだけあって、桜寿郎の世話はとても上手で、桜寿郎もよく懐いていった。
も天元が来ている時は心配せずに少し眠れるので、ありがたかった。帰るときは必ず、の頭を撫でて、桜寿郎の額に口づけをする。
ある日、はずっと不思議に思っていたことを天元に聞いてみた。
「ねー。天元。」
「んー?どした?」
天元は桜寿郎をあやしながら返事をする。
「ずっと思っていたんだけど。」
「おー。」
「どうしてこんなに私と桜寿郎の面倒を見てくれるの?」
「そりゃ、俺。の事好きだし、桜寿郎もかわいいし。」
天元が桜寿郎ににーっと笑うと、桜寿郎もにこっと笑う。
「はいはい。天元の奥方たちは大丈夫なの?」
「別に問題ねぇよ。ほら、、桜寿郎笑ったぜ。」
天元は嬉しそうにの方を見る。
「天元って本当にいいお父さんになれるよ。」
「お、桜寿郎。俺の父親ぶりが、母上にも認められてきたぞ。」
「はいはい。」
あっという間に桜寿郎が生まれてから三か月が過ぎた。
煉獄家は女手が無く、は親類もいないので、産後の生活は心配していたが、千寿郎はもちろん、天元や実弥がよく来てくれ、桜寿郎を構ってくれたので不便なく過ごすことができた。
桜寿郎も人懐っこい性格で、誰にでも良く笑顔を見せ、むっちりと丸々した子に育っていった。
は徐々に鍛錬を増やしていき、妊娠する前の状態に戻りつつあった。