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気炎万丈【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】【R18】

第25章 父上


杏寿郎が亡くなってから、天元が頻繁に様子を見に来るようになった。彼はどうしてこんなにも人の世話を焼きたがるのだろう。
いつも他愛もない話をして、時には私の鍛錬につきあい、いつも私の頭を撫でて帰る。

ある日、また天元が私の様子を見に来ていた。
天元の話をにこにこしながら聞き、ぼんやりと彼の綺麗な紫を見ていたら、ズキン・・・ズキン・・・と異変が起きた。

ズキッズキッズキッズキッ・・・子宮が脈打つような感覚。耐えられる痛みだが、少し苦しい。

「天元・・・、私、お腹痛いかも・・・。」

は実家が無いので、蝶屋敷で出産することになっていた。
「じゃあ連れてってやるぜ。」
と抱えて連れてってくれた。

蝶屋敷につくと処置室に移され、もういつ生まれてもおかしくない状況だと聞かされる。

天元は外に出された。は慌ててお礼を言う。

「て、天元・・巻き込んでごめん。産まれたら鴉を飛ばすね。」

「はぁ?俺産まれるまでここにいるぜ?こんなん呑気に家に帰れるかよ。」

「えぇ・・」

「え・・じゃねえよ。頑張れ!」

頑張れと言われても・・・と思いながら産婆さんの話を聞く。
子宮が時々ぎゅっと痛む。
痛みに合わせて少しづつお腹に力を入れるようだ。
痛いのには慣れているので大丈夫なのだが、痛み以外の不快感が嫌だった。

子宮の収縮に合わせて少しずつ力を入れていくと、何かが出てきている感覚がある。
「んっ・・・」
自然とうなり声が出てくる。
産婆さんに言われるがままに力を入れる。
「んーーっ」
しばらく激しい痛みが続いた後、

「・・おぎゃーおぎゃー」
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
元気な声を聴いては、ほっとする。

びっくりする位煉獄家の遺伝子は強く、杏寿郎そっくりの赤ちゃん。金色の髪に大きな赤い瞳。手足も大きくてがっしりしていて力強い。
「は・・初めまして。桜寿郎・・。」
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