第5章 炎の呼吸
濡れた着物を着替え、二人は昼食を食べた。そしてお互いの傷の様子を確認した。
「、すまない。つい熱中してしまった。君は強いな」
「こちらこそ、攻撃をかわしている内に白熱してしまいました・・。」
二人が稽古のことを嬉々として話しているので、千寿郎は邪魔するわけにもいかず、交互に顔を見ながら食事をとっていた。
(兄上が随分生き生きとされている。そして父上も久しぶりに稽古の助言をされていた。なんだか嬉しい。)
「どうした千寿郎。こちらばかりで話をしていてすまない。」
「いえ、先ほど父上がお二人に戦いの助言をされていたのを思い出して嬉しくなりました。」
「確かに。」
(少しに興味を持たれたのだろうか。いつもよりお部屋から出てくる回数が多い。)
「。勝手な申し出ばかりですまないが、明日以降も我が家に住み込み、一緒に鍛錬をしてもらえないだろうか?」