第21章 報告
これまでは、2人のことは2人で相談して決めていたが、杏寿郎が死んでしまったら何も残らないのが怖いとも、自分も杏寿郎もある日突然命の危険に晒される身と分かっていながら簡単に子供が欲しいとも言えずにいた。
何よりも、自分が鬼殺隊を引退して杏寿郎と一緒に戦えなくなるのは嫌だった。
でも、行為の後の薬をやはり飲む気にもなれず・・・。
は矛盾した気持ちと杏寿郎に嘘をついている罪悪感を持ちながら肌を重ねた。
お互いが健康な体であり、毎日に様に愛し合っていれば子を成すのは時間の問題だった。
は月のものが来なくなり、吐き気やだるさなどの体調不良があったため、すぐに気付いたが、優しい夫に伝えればすぐにでも鬼殺隊を辞めて欲しいと言われそうなので黙っておいた。
少しでも長く夫の傍で、夫の命を守りたいという気持ちだった。
一方で、出産まで隠し通せる程、鈍感な夫ではない上に、お腹の子をかばいながらできる簡単な仕事ではないのは分かってはいたが、何故か言い出せず、気付いてから3カ月が近づいていた。