第20章 意識不明
ほんの少しだけ眠ると、はばっと起きた。顔を上げると天元がを見てにやっと笑った。
「天元、ありがとうございます。寝てしまいました。」
「もう起きちゃうの?寂しいなぁ。」
天元はわざとからかうように言う。
「少し気分が良くなりました。また看病に戻ります。」
「おぉ、俺も一緒に行く。」
2人は病室に戻った。
「、ちょっと体でも拭いてやるといいぜ。」
「はい、貰ってきます。」
天元はわざとを病室から出した。
「煉獄よぉ。お前起きねぇんだったら、俺が貰っちまうぜ。」
天元が杏寿郎の耳元で言うと、眉がピクリと動き、額に血管が浮いた。
「お。聞こえてんな。じゃああと少しだな。煉獄、頑張れよ。お前の大好きながすげー泣いてるぜ。」
そう言うと天元は病室から出た。
丁度、桶と手ぬぐいを持ったと廊下で会った。
「、俺の言葉に反応したぜ。多分聞こえてる。話しかけれやれ。あと少しだ。」
「え!?」
「何を言われたんですか?」
「・・・・言えねぇ。」
「言えない様なことを言わないでください。」
「ま、少しずつでいいから、お前も食べて眠れ。で、も少しマシな顔で迎えてやれよ。」
の頬を手の甲で撫でながら優しく言う。
「肝に銘じます。ありがとうございました。」
もふっと笑顔になり、礼を言う。
「お前が先に壊れないように頑張れよ。」
「俺の胸ならいつでも貸してやる。泣きに来ていいぜ。」
の頭をいつものようにふわふわと撫でる。
「・・天元はいつでも優しい。」
は、もう一度にこっと笑って天元を見る。
「そりゃ、俺はお前の事好きだからな。」
天元もにやっと笑って答える。
「ふふふ。4番目にですか?5番目にですか?いや、もっと後か。でも私。天元のそういう軽口に随分救われている気がします。さすが色男ですね。お上手。では。」
は軽く頭を下げて、部屋に入って行った。
「・・・いやお前だけになんだがな。」
天元は少しため息をついて、蝶屋敷を後にした。