第18章 悲しい出来事と自分の想い
ジムの死は、本当に突然だったらしい。
いつものように、店で仕込みをしている途中で
発作が起きたらしく、
発見されたのは随分時間が経ってからだったと、
村の人から聞いた。
もし、その時自分がいたら。
調査兵団の料理人を目指すことなく、
ここで暮らすことを選んでいたら。
ジムは死ななかったのだろうか。
エマはそんなことばかりを
考えながら、次の日を迎える。
次の日の葬式には、
エルヴィンとリヴァイも参列した。
見慣れない黒い喪服を身に纏う二人に
違和感を覚える。
二日経ってもまだ泣くこともできず、
事実を受け止めきれないエマを見て、
エルヴィンは優しくエマの肩を抱いた。
エマは少し俯き、
「エルヴィンさん。大丈夫です。」
そう言ってエルヴィンに微笑みかけた。