第18章 悲しい出来事と自分の想い
数日後、エマにとっては衝撃的で、
悲しい出来事が起きる。
突然エルヴィンの部屋に呼び出されたエマ。
「エマ。落ち着いて聞いてほしい。」
エルヴィンの顔は真剣そのものだった。
「昨晩、エマが勤めていた店の主人、
ジムが亡くなった。」
エマは一瞬、エルヴィンが
何を言っているのか分からず耳を疑う。
「突然の心臓発作らしい。
詳しいことはまだ聞けていないが、
エマは今すぐ村に向かいなさい。」
エルヴィンは
馬車の手配をしてあることを伝えると、
基地の入り口までエマの手を引く。
エマはまだ状況が理解できず、
唖然としていた。
「……エマ。
君の帰る場所はあの店だけではない。
ここにも君の居場所がある。」
エルヴィンは何も言わず立ちすくむエマに
声をかけ、馬車に乗せた。
エマは村までの道中も言葉を発することはなく、
ただひたすら外を眺めていた。