第16章 会いたい人
「……リヴァイさん、恋したことありますか?」
「あ゛?」
エマの突拍子もない質問に、
リヴァイは声を上げただけで押し黙った。
「……すみません、いきなりすぎました。」
エマはリヴァイから視線を逸らす。
「……お前は、あるのか?」
リヴァイの声から苛立ちは消えていた。
「あの、いつものことなんですけど、
質問を質問で返すのってズルくないですか?」
「いいから答えろ。」
リヴァイは強く咎める。
「………私は、ない、と思います。」
エマは風にかき消されそうなほど
小さな声で答えた。
「そうか。」
リヴァイはそう言って空を見上げる。
「恋ってなんなんでしょうね。」
「……俺にわかると思うのか?」
リヴァイはまた呆れた顔をする。
「……聞いてみただけです。」
エマはリヴァイの反応を見て笑った。