第16章 会いたい人
「おい、お前。ここで何してんだ。」
昨日に引き続き、訓練終わりで、
あのテラスに来たリヴァイは
ベンチに座ろうとして目を見張る。
「こんばんは。」
エマは軽く会釈をした。
リヴァイは呆れたような表情を浮かべ
エマの隣に座ると、
「エマ。お前は風邪で
欠勤していると聞いたんだがな。」
そう言ってエマを見る。
「もう熱も下がったので、また来ました。」
エマが笑って見せると、リヴァイは
「お前な、ここで長居するから
風邪をひくんだろうが。
そんなことも分かんねえのか。」
と、眉間に皺を寄せた。
「……でも今、リヴァイさんと
話したかったんですよ。」
エマは呟くように言う。
リヴァイはその言葉を聞いて
「なんだ。相談事か?」
と、エマの顔を覗き込んだ。
「相談事、ではないんですけど。」
エマは口ごもる。
「はっきりしねぇ奴だな。早く言え。」
リヴァイの苛立ちが伝わり、エマは口を開いた。