第16章 会いたい人
『こんな時に相談できる人がいない私って
何なんだろう……』
エマはそう思うと目を瞑る。
“相談できる人”
で思い浮かんだのはリヴァイだった。
『でもリヴァイさんに
このことは知られたくない……』
そう思って、
エマはその仮想を拭い去るが、
『何でリヴァイさんには知られたくないんだ?』
と、また新たな疑問が浮かぶ。
知られたくない、と言うことは、
私がリヴァイさんを気になっているからか?
リヴァイさんを好きになるなんて、
そんな無謀なこと……無いに決まってる。
でも、弱ってる時に会いたくなるのは、
決まってリヴァイさんだ。
エマは深くため息を吐いた。