第15章 激しい動悸の原因
しばらく部屋は静寂に包まれた。
そして、
「エマ。
君が自分の本当の気持ちが分かるまで、
私は待とうと思う。」
エルヴィンはゆっくりエマを離した。
「もし、エマの気持ちが私と同じなら、
この続きをさせてもらおう。」
エルヴィンはエマの額に
軽く口づけをする。
「………!」
エマはいきなりの出来事に、
思わず額を手で押さえた。
「君は隙がありすぎる。
これから待つのも不安だな。」
エルヴィンの意地悪そうな笑顔に
「……エルヴィンさんは、見た目に反して
手が早いです。」
そう言って顔を赤くする。
エルヴィンは満足そうに笑うと、
部屋から出て行った。
エルヴィンが部屋を出てすぐ、
エマはエルヴィンへの
自分の気持ちを考え始める。
だが、そんな簡単に分かるものではないと思い、
ため息を吐いた。