第15章 激しい動悸の原因
『……久しぶりに風邪ひいたなぁ』
エマは静かな部屋の中、
一人ベッドの上で天井を見上げる。
久し振りに風邪を引いたのは、
昨日の夜、リヴァイが部屋に戻った後も
しばらくテラスに留まっていたことが
原因だと思われた。
『二人に会うの、なんか気まずかったし。
今日はしっかり休もう。』
エマはエルヴィンとリヴァイの顔を
思い浮かべ、布団の中にもぐりこむ。
目を瞑ると、昨日の出来事が
走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
エルヴィンには告白まがいのことを言われ、
キスまでされそうになり
リヴァイには自分が告白まがいのことを
してしまった。
でもリヴァイの件に関して言えば
告白、と言うよりも、
仲間として親愛していることを伝えたに等しい。
そんなに深く考えることはないはず、
と布団の中で動き回る。
「寝れない………」
エマはそう呟き起き上がると、
枕元にある水を一口飲んだ。
その時。
「エマ。大丈夫か?」
聞きなれた落ち着いた声が
部屋の外から聞こえる。
エマは一瞬迷うが、静かにドアを開けた。