第13章 秘密基地のテラスで
「リヴァイさん、もしかして……
それで私と恋人同士だって
信じさせたんですか?」
かなり大胆な思いつきだったが、
声に出さずにはいられなかった。
「お前、なかなか察しがいいな。」
リヴァイは目を丸くする。
「俺がお前に手ぇつけてると知ったら、
大体の奴が引き下がるだろうと思ってな。
適当なこと言って思い込ませただけだ。」
そう言ったリヴァイは、大きく息を吐いた。
「……そうだったんですね。
通りで最近誰にも誘われないなぁ
と思ってました。」
エマは思わず吹き出した。
「リヴァイさん、優しさが遠回しすぎますよ。
ここで話してなきゃ、気付かなかったですよ。」
「……別に気付いてもらいたかった訳でもねぇが。」
リヴァイはそう言いながら、
丁寧にタオルをたたみ始めた。
「……ありがとうございます。」
エマはリヴァイの不器用な優しさで、
胸が温かくなるのを感じた。
ただ隣に座っているだけなのに、
鼓動も高鳴ってくる。
「リヴァイさん分かりにくいところ多いし、
目付き悪い……って言うか怖いこと多いし、
何て言うか、
誤解されやす過ぎる人だと思うんですけど」
「エマよ、俺にケンカを売っているのか?」
「リヴァイさんのそういうところ、
やっぱり私は好きです。」