第13章 秘密基地のテラスで
「リヴァイさん、やっぱりなんか変ですよ。」
エマは心配そうに
リヴァイの顔を覗き込む。
「潔癖気味のリヴァイさんが
他人のタオル使うとか、
結構信じられない事実なんですけど。」
冗談めかしてそう言うエマだったが、
「別に汚くねぇと思ったから使っただけだ。」
リヴァイはそれだけ言って、
無言で髪を拭き続ける。
『それって喜んでいいのかな……?』
そんなことを考えていたが、
暫く重い沈黙が流れる。
それに耐えられなくなったエマは
「リヴァイさん、
ミカサに適当なこと言いましたよね?」
と、さっきのエレンとの会話のことを尋ねる。
「エレン、完全に私とリヴァイさんが
恋人同士だと思ってましたよ。」
「……それで、お前は
エレンに何て言ったんだ。」
リヴァイのまさかの質問に、少し戸惑うが
「……恋人ではないことを、
正直に伝えました。」
と、素直に答えた。
「………そうか。」
また暫くの沈黙が流れる。
『ちょっとちょっと、これ、どういう状況?
なんでリヴァイさんは
急にしゃべらなくなるわけ?
自称元々よくしゃべるはずの
リヴァイさんはどこ行ったの?』
エマは心の中で、動揺し続けていた。