第13章 秘密基地のテラスで
「……リヴァイさん?」
後ろを振り向くと、風呂上りらしく、
髪を濡らしたリヴァイが立っていた。
「エマか。
よくこの場所を見つけたな。」
リヴァイは驚いたような顔でエマを見る。
「私もまさか、ここに自分以外の人が来るとは
思ってなかったです。」
エマは小さく笑い、
「リヴァイさんの特等席だったんですね。
私、自分の部屋に戻るので、
ゆっくりしていってください。」
そう言って立ち上がるが、
「いや、お前はここにいろ。」
と、リヴァイはエマが
座っていた場所の隣に座る。
「俺と二人きりは不満か?」
リヴァイはそう言うと
エマの顔を覗き込んだ。
「不満どころか。嬉しいです。」
エマは頬を緩めたまま、
リヴァイの横に座った。
「……リヴァイさん、
髪、水が滴ってますけど。」
エマはリヴァイの濡れた髪の毛を
横目で見る。
「ああ。
タオルを持ってくるのを忘れた。」
「リヴァイさんらしくないですね。
タオル忘れるとか。
良かったらこれ使いますか?」
エマはさっきまで
自分が使っていたタオルを
差し出そうとしたところで
リヴァイが極度の潔癖症だったことを思い出し、
「あ、やっぱ無理ですね。
私、さっき少し使っちゃいましたし。」
そう言ってタオルを引っ込めるが、
「使わせてもらう。」
リヴァイはそう言うと、
エマのタオルを受け取り
髪を乱暴に拭き始めた。