第129章 優柔不断
「……一人で決断するのが怖いか。」
リヴァイはそう言うと、
エマの髪を撫でる。
「俺は調査に出るたび思っている。
自分が何を信じて、何を選択しても、
結果は分からない。
今までもそうだったが、
これからもずっとそうだ。
………だから、悔いが残らない方を
自分で選んできた。」
エマはリヴァイの話を静かに聞く。
「調査では考える猶予もなく、
選択して、決断できても
今の俺は、こんなにも優柔不断だ。」
リヴァイはそう言って小さく息を漏らした。
「今、こうしてお前を抱いていると、
選択に迷いが生じる。」
エマはリヴァイの背中を強く掴み、
「……私も、リヴァイさんに
抱きしめてもらう度、色々迷います。」
と、呟くように言う。
「でも私も、今、悔いが残らない方を
選ぼうと思います。」
エマの強い語気に、リヴァイは
「俺もそろそろ、腹括らねぇとな。」
そう言いながら、
より一層強くエマを抱きしめた。