第129章 優柔不断
「私の中では、結構前から
もう答えは出てるんだと思います。」
エマはリヴァイの腕の中に
抱かれたまま、唐突に話し始める。
「……でも、自分一人で
決断するのが、やっぱり怖いです。
今までいつも誰かに
背中を押してもらっていたから。」
エマはそう言いながら、
今までのことを思い出していた。
調査兵団の料理人になると決めたのは、
リヴァイの言葉があったから。
リヴァイに想いを伝えようと思ったのは、
エルヴィンやジャンの後押しがあったから。
エルヴィンの気持ちに応えようと思ったのは、
エルヴィンに昔からの想いを告げられたから。
そして今は、誰かの意見を仰ぐことなく、
自分で決断しなければいけない。
自分のことは自分で決める、
そんな当たり前のことを
いつも人に頼ってばかりだったことに
気が付いた。