第13章 秘密基地のテラスで
エマは風呂から上がると、
濡れた髪を拭きながら廊下を歩く。
『エルヴィンさんと言い、リヴァイさんと言い、
もはや掴みどころがなさすぎて
何考えてんのかさっぱりなんだけど。』
今日の出来事を思い返し、
動揺しすぎて考えがまとまらない。
『……よし。
こんな時は、あそこに行こう。』
エマは廊下を逆走し始めると、
ある場所に向かった。
たどり着いた場所は、
屋上より一つ下の階にある小さなテラスだった。
ここは古い梯子を上らないと
辿り着けない場所で、
人が来ることはまずない。
エマの中では秘密基地的な場所だった。
「おー!やっぱり今日は星が綺麗だー!」
エマは思わずそう言うと、
大きく背伸びをした。
『……考え事をするときは、
ここが一番いいや。』
近くの二人掛けのベンチに座ると、目を瞑った。
「……先客がいたか。」
しばらくすると、
聞きなれた声を耳にし、目を開ける。