第126章 雑務の手伝い
それから数日後の夜。
エマはエルヴィンの
側近の兵士に替わり、夕食を持って
エルヴィンの部屋までやって来た。
「エルヴィンさん、夕食持ってきました。」
エマはドアの前で声を掛ける。
しばらくすると、ゆっくりドアが開き、
中からエルヴィンが顔を出した。
「エマ?君が持ってきてくれたのか?」
エルヴィンは意外そうな顔でエマを見ると、
「はい。すごく忙しそうだったので、
替わりに私が持ってきました。
……ダメでしたか?」
エマはそう言って、
エルヴィンの顔を覗き込む。
「いや、嬉しいよ。
頼んだ兵士に礼をしなくてはな。」
冗談めかしてそう言うエルヴィンは、
エマを部屋へ招き入れた。