第125章 好悪の区別と自信家の嫉妬
エマが部屋のドアを開けると、
ドアの側で聞き耳を立てていた
エレンとジャンが、傾れ込む。
「ちょ、ちょっと何してんの?」
エマは思わず声を上げた。
「エルヴィン団長、ほんとすごいな……
どの方面でも尊敬できるよ……」
ジャンは感嘆の声を上げる。
「取りあえず俺、団長に弟子入りする。」
エレンはそう言うと、勢いよく立ち上がった。
「……もしかして全部聞いてたの?」
「当たり前だろ!
てか、エルヴィン団長、
どんだけ高度な技巧の持ち主だよ!
エマさん、キスだけで
あんなになる訳?!」
エマの問いに、
ジャンは声を荒げて聞き返すと、
「と言うか!
エマさん、ジャンとやったの?!
ほんとに?!何で?!」
エレンはエマの肩を掴んだ。
エマは大きく深呼吸をすると、
「各々色々意見があるんだと思うけど、
もう私は何もしないし、
何も言わないことに決めた!」
そう言ってエレンとジャンを、
廊下に押し出し、
「二人とも、楽しい夜をありがとう。」
と、二人に笑いかけてから、
静かにドアを閉めた。