第125章 好悪の区別と自信家の嫉妬
「とにかく、エマ。
君は警戒心がなさすぎる。
このまま私が来なかったら、
どうなっていたと思うんだ?」
「……すみません。」
エマは再びエルヴィンに頭を下げた。
「エレン、ジャン。君たちも、
エマが好きな気持ちはよく分かったが
好悪の区別くらいは、
自分たちで出来るだろう?」
「……すみませんでした。」
エレンとジャンは、
エルヴィンに深々と頭を下げた。
「何でも強引に迫ればいい
と言う訳ではない。
もっと勉強して、出直しなさい。」
エルヴィンはそう言うと立ち上がり、
ドアに向かった。
エマはエルヴィンの後を追い、
「すみません、
ありがとうございました……」
と、エルヴィンの袖を掴む。
「ああ。取り敢えずは
間に合ってよかったよ。」
エルヴィンはそう言うと、
エマの手を引き、廊下に出た。