第121章 犬猿の仲
「で。ジャンはこれから
自分の部屋に戻るんだろ?」
エレンはジャンに強い視線を向けると、
「今日はエマさんの部屋で一緒に寝る。」
ジャンは強い口調で答えた。
「おいおい、一緒に寝る
ってサラッと言ってるけどな、
それ、おかしいだろ?」
「別におかしくねぇよ。」
「ねぇ、取りあえず
落ち着いて話してくれる?
二人とも顔、怖いから。」
エマは思わず二人の会話の間に入る。
「ジャンがエマさんの部屋にいるなら、
俺もいる。」
「お前何言ってんだ?
無茶なこと言うなよ。」
ジャンは呆れたようにエレンを見た。
「なら、お前も部屋戻れよ。
どう考えてもおかしいだろうが。
お前はエマさんの恋人か?」
エレンはジャンを睨み付ける。
エマは大きくため息を吐くと、
「分かった。」
そう言って二人をベッドに押し倒し、
「二人ともここで寝ていいから。
取り敢えず喧嘩止めてくれる?」
と、小さく笑った。