第1章 出会いと変化
それからリヴァイ兵長は週に1、2回店に訪れて
私の作った料理を興味深げに食べてくれた。
その中で、兵長と会話をすることも
少しずつだけど増えていき、
態度と顔に似合わず、
意外とよく話をしてくれる兵長に
私はますます興味が湧いた。
そして相変わらず優しい団長も
よく店を訪れてくれて、基地に籠って
研究をしているという仲間に
自分が気に入った料理を持ち帰ることもあった。
団長は貴重な食材を
店に持ち込んでくれることも多く、
その上、店のピンチを救ってくれたこともあり、
ジムから言わせれば
「かなりの上客、絶対逃せない上客、
もはや命の恩人」らしい。
そんな充実感を得られる日々が
三か月ほど続いたある日。
「今日のスープは味が違う……」
もうだいぶ分かるようになった
兵長の表情が明らかに曇る。
「やっぱり兵長には分かりますか……」
私はバツが悪くなって下を向いた。
「何かあったのか?」
私の顔を覗き込む兵長。
「……いや、何かあったというか
少し風邪気味で……」
実は3日ほど前から風邪をひいて、
喉を痛めていた。
その上鼻も詰まっているので味が分からず、
ジムの指示だけでスープを作っていたのだ。
「あ、でも、もう治りかけなんで!
兵長に移したりはしないです!」
思わず口元に手を当てる私だったが、
次の瞬間兵長の行動に驚かされる。