第119章 爆弾発言
次の日の夜も更けた頃、
エマが部屋で本を読んでいると、
ドアをノックする音が聞こえた。
エマはゆっくりドアを開けると、
少し息を切らしたジャンが立っていた。
「……エマさん、今ちょっと、いい?」
「どうしたの?急用?」
エマは小首を傾げながらジャンを見る。
「いや、というか……
エマさん、団長と別れたって本当?」
ジャンは早く聞きたい気持ちを抑えきれず、
小声でエマに問いかけた。
「ああ。
ついにジャンにも噂が回って来たか。」
エマはそう言って少し笑う。
「ジャン、部屋で話す?」
「いや。さすがにもう夜遅いし、
こんな時間に部屋には入れない。
けど、早くこのこと確認したくて……
エマさんさえ良ければ、
食堂で少し話さない?
この時間だったら、さすがに誰もいないだろ。」
エマはジャンの話を聞いて少し黙考すると、
「食堂まで行くの面倒だし。入りなよ。」
と、ジャンの手を引いた。